物質文明の象徴
戦後当時、「アメリカ」といえば、豊かですすんだ物質文明の象徴でした。
人びとは、ジープに乗ってやってきた、予想外に陽気で人のよさそうなアメリカ兵が、気前よくガムやチョコレートや缶詰をくれるのに驚き、占領軍専用の購買施設であったPXから流れてきた品々を見て、眼を見張った。
そこには、まぎれもなく、豊かですすんだ「アメリカ」そのものがありました。
いいものは「アメリカ」という、単純だが強烈なイメージが、敗戦直後の日本人の頭の中にできあがりつつあったのも無理からぬことです。
そして、こうした「アメリカ」のイメージ形成にあずかって力があったのが、当時つぎつぎと封切られていた『春の序曲』『アメリカ交響曲』『心の旅路』『わが道をゆく』などのアメリカ映画だったといわれています。
〆こうした背景もあって、このあとしばらく、「アメリカさん」にあやかろうと・・・
「アメリカの風邪薬・アナヒスト」「アメリカのナイロン使用・ライオン歯刷子」「アメリカ婦人の洗顔はみなクリンシン・明色クリンシン」「アメリカの水準を行く理想の保険・千代田生命」など・・・
「アメリカ」を冠したキャッチフレーズが続くのです。